五年の梅 (新潮文庫)



五年の梅 (新潮文庫)
五年の梅 (新潮文庫)

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これを読んだらはまります

充実の全5篇。どの作品も素晴らしい内容。

特に表代作「五年の梅」は、「これぞ武士!」という泣きの作品。映画化になってもおかしくない充実した作品です。侍同士の友情、男と女の愛情、武士社会の上下階級、忠誠心、清さ。全てが武士道そのもの。
最後の10ページは、読む場所を先にきちんと考え、バックグランドmusicに壮大なクラシック音楽を用意しておく事をお薦めする。

乙川作品の中でも、これを読んだら病み付きになってしまうこと間違いない、そんな作品です。
テンポよく楽しめる作品集

山本周五郎賞受賞作。

乙川さんの短編は背景描写がクドイため間延びした印象の作品が多いのだが、
この作品集はいずれもテンポが良く、とても読みやすい。
特に後半になるほど作品に引き込まれ、「小田原鰹」「蟹」「五年の梅」などは読み進むのが楽しかった。

ただ、この本の文庫版には注意点がある。
私が読んだのは第7刷だったが、巻末の川本三郎氏の解説は、解説ではなく「あらすじ説明」であり、
各編の事のいきさつから意外な結末まで、あますところなく見事にまとめられている。
「未読の読者のため詳細には触れず・・・」などという配慮はなされていないので、解説を先に読む方はご注意を。
心にしみる

人は、生きている。悩んだり、恨んだり、悲しんだり、喜んだりしながら。作者は、日常に生きる人々の心情を細やかに描いている。時代物でありながら、時代物だと感じさせない。そこには、今の時代にも共感できる人々の姿がある。いつの時代も大切なのは、人を思いやる心なのかもしれない。人が人を思う時、そこからまた新たな人生が始まる。作者はそのことを静かに語っている。
人生の転機…その後

 この短編集は、人生の大事件が終わった後を丁寧に描いている。このレビューで諸氏が述べている通り「小田原鰹」の、「その後」の描きぶりは感動的だ。「五年の梅」もまた、泣ける。人生のピークともいうべき大事件を起こした人物のその後を、作者は丁寧になぞっていく。その描きぶりが独自である。人生はまだまだ続いていく。見事に切腹したり、志を遂げて凶刃に倒れたりという、絵に描いたようなエンディングは、訪れない。確かに、多くの人生とは、そうしたものだ。
 最終的に再生を描きながら、諸手を揚げての再出発ではない。何かそこにホロ苦さを混じえている。この雑味が、乙川の真骨頂ではないだろうか。そこに味わい深さが生まれる。そういえば、直木賞受賞作の「生きる」も、そうだった.
元気をもらえる一冊

本著は五編を収めた短編集。 いずれも、それぞれに思い通りにならない日々の暮らしの中で、勇気をもって前向きに意を決する姿を描く。「人は変われるのだ」、「自分の心持ちが変われば、物事の見え方も変わるのだ」ということを伝えてくれる内容です。単純かもしれませんが、元気をもらえる一冊です。



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